· 

お薬の保管方法

 

一般的にお薬は高温多湿に弱いため、直射日光を避けて、湿気の少ない、涼しい所に保管するのが基本です。お薬によっては、光を避けたり、冷蔵庫で保管するものもあります。

 

ちなみに、室温 1℃~30℃ 常温 15 ℃〜25℃冷所 1℃~15℃(冷蔵保管 約4℃)を指します。

 

薬以外のものと区別できる缶などの気密容器に、包装のまま入れましょう。ただし、お菓子の缶などはお子様が開けてしまう可能性があるので、なるべく避けた方が良いです。入れ物の中に乾燥剤を入れておくと湿気対策になりますが、薬と区別が付きにくくなる場合は入れない方が良いです。

 

分かりやすく食品で例えると「海苔」や「お茶」など乾物類の保管方法と同じですね。

薬を入れた缶などの容器は戸棚や引き出しにしまっておくことができます。

暗くてあまり暑くならないところと考え、タンスに保管する方がいらっしゃいますが、意外と湿気が多いので避けた方が良いです。

 

 

夏場になると「薬を冷蔵庫に入れた方がいいですか?」と尋ねる患者さんがいらっしゃいます。

 

室温保管とされている薬は、製薬メーカーによる保存条件のテストで40℃で6か月以上安定していることが条件になっていますので、温度が保たれる場合は冷蔵庫で保管する必要はないです。

 

時には「冷蔵庫の方が長持ちすると思って、ずっとしまっています」と患者さんから言われることがありますが、冷蔵庫で保管しても使用期限が延びることはありませんし、冷蔵庫の開閉時に生じる温度差によって結露が付き、その湿気によって、かえって品質が変わってしまうことがあります。

 

 

坐薬や液剤など冷所保存や冷蔵保存が指示されているお薬は、冷気が直接当たって凍結しないよう、冷蔵庫のドアポケットや卵ケースに保管しましょう。シロップ剤はお子様がジュースと間違えて飲まないよう、手の届かない場所で保管しましょう。

常温で保管できる目薬を冷蔵庫保管している方も多いですが、例えば、リザベン点眼液(トラニラスト)は、冷蔵庫に入れると結晶が析出してきてしまうことがあります。低温で保管することで品質が変わってしまう例の1つです。

 また、いずれの保管場所であっても、お子様がいる家庭では、お子様の手が届かないところに保管しましょう。

 

 

 保管方法については、薬が入っている袋(薬袋)や薬の説明書(薬剤情報提供書)に書かれていますが、薬を受け取る際には薬剤師からの説明をよく聞いておいてくださいね。