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花粉症のお薬

花粉症の方にはつらい季節になってきましたね。

花粉の飛散量ですが、昨年に比べると総飛散量は、やや多い予想になっています。

今年のピーク予想(東京)は、スギ花粉が3月中旬から下旬にかけて、ヒノキが4月上旬から中旬となっていますので、対策をしっかりしておくことが大事だと思います。

 

花粉症の正確な人数は調査されていないのですが、日本人の30%ぐらいの人が花粉症を持っているといわれています。

 

花粉症は花粉が飛び始める前から対策をしておくと症状がひどくならず過ごせます。そして飛散終了まで薬を続けることが大事です。

気象情報などでも花粉の情報を教えてくれるので早めに対策しておくようにしましょう。

 

 花粉症で受診する科を聞かれたときは、鼻の症状がひどければ耳鼻科、目の症状がひどければ眼科をお勧めしますが、普段かかっている病院があれば、そこの先生に相談してもいいと思います。

 

アレルギーの検査には6000円前後(保険適応の場合3割負担で)かかるのですが、一度やっておくとどのタイミングで薬を飲めばいいのかがわかりますので、おすすめです。

 最近、お子様の花粉症も多いのですが、お子様の場合は、小さいうちは花粉症の検査をしても正確な結果が出ない場合が多いので、検査は小学校に入ってからで大丈夫だと思います。詳しくは小児科の先生に相談して下さい。

 

花粉症のお薬ですが、今年はエピナスチン オロパタジン プランルカスト レボセチリジンなど出荷調整がかかっていて手に入りにくい薬がたくさんあります。

去年と同じものが欲しいと言われて対応できないことも多いかと思いますがご了承ください。

 

花粉症の治療法としては、対症療法と根治療法があります。

 

対症療法としては内服薬 点眼薬 点鼻薬などによるもの、レーザーなどによる手術療法などがあります。

 

根治療法としては減感作療法といって、少しずつ花粉を体内に入れて体を慣らしていく方法があるのですが、これは、花粉が飛んでいない時に始めなくてはいけません。すぐに効果が出る方法ではないので、長く続けることが大事です。

 

 

内服では、くしゃみ、鼻汁症状が強いときは抗ヒスタミン薬 科学物質遊離抑制薬を使います。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応で、過剰に分泌されるヒスタミンを抑えることによって、くしゃみ、鼻水を抑えます。

 

 

 

 

CMでよく見る、アレグラFX、医療用医薬品の アレグラ(フェキソフェナジン)は抗ヒスタミン薬です。1日2回で眠くなりにくく、集中力が低下しにくいお薬です。効果はマイルドですが、副作用も少ないほうです。

 

 

2017年に発売されたルパフィンは従来のアレルギー作用に加えて、抗PAF(血小板活性化因子)を持っているので、炎症も抑えてくれます。鼻詰まりや、目のかゆみがひどい方にも使用されています。眠気が出ることが多いので、機械操作・自動車運転に注意が必要です。また、アルコールとグレープフルーツジュースとの組み合わせで副作用が出やすくなることもあるので、控えてほしいです。

 

 

鼻づまりがひどいときは、抗ロイコトリエン薬や局所ステロイド薬を使います。

ロイコトリエンは気管支の周りの筋肉を収縮させ、気管支喘息の発作を起こしたり、鼻粘膜の炎症、腫れを引き起こし、鼻詰まりの原因となります。

 

 

 

 シングレア・キプレス(モンテルカスト)  オノン(プランルカスト)が抗ロイコトリエン薬になります。今年は、オノンもプランルカストも入荷が難しいです。オノン・プランルカストは12回服用が必要ですが、モンテルカストは11回の服用です。

 

このほかにも、いろいろなお薬があります。

内服だけで症状が抑えられない時は、点眼、点鼻薬を併用して症状を抑えることが出来ます。

 

市販薬で対応していて、初めて受診するようなときは、昨年使っていた市販薬の名前を先生に伝えて相談すると、より合ったお薬を処方してもらえると思います。

 

 

 

今、あまり症状が出ていない方も油断せず、万全の対策をして過ごすようにしましょう!

 

薬剤師 木下